【ミクロ経済学4】価格弾力性 | 需要と供給の弾力性から適切な価格を導き出す

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弾力性とは何か?

経済学の世界で弾力性とは、価格の変動によって、ある製品の需要や供給が変化する度合いを表す数値のことを言います。

例えば、近所に1つ500円の唐揚げ弁当を売っているお弁当屋さんがあったとします。
この唐揚げ弁当は1日に100個売れていて1日の売上は5万円だとします。

その唐揚げ弁当の値段が50円(10%)上がったとしましょう。
この場合、唐揚げ弁当の需要量は30%減少するでしょうか?
それとも、5%しか減少しないでしょうか?

需要量の変化率を価格の変化率で割ると、需要と弾力性を求めることができます。

需要が30%減少した場合、唐揚げ弁当需要の弾力性は、30% / 10% = 3 です。
需要が5%しか減少しなかった場合、唐揚げ弁当需要の弾力性は、 5% / 10% = 0.5 です。

次に供給量の変化について考えてみましょう。
唐揚げ弁当の値段が50円(10%)上がったとき、供給量は30%増えるでしょうか?
それとも、5%でしょうか?

供給の弾力性は、供給量の変化率を価格の変化率で割ると計算できます。

30%増えたときは、 30% / 10% = 3 です。
5%増えたときは、 5% / 10% = 0.5 です。




需要の弾力性を3つのパターンで考える


需要の弾力性が1より小さいパターン

需要の弾力性が低いとき、需要量の変化は価格の変化よりも小さくなります。
これは、価格を10%引き上げても、需要量が5%しか減少しないような場面です。

このように弾力性が低くなるのは、その商品がユニーク(唯一)な商品で代用品が見つからない場合などに多いです。

例えば、コーラなどの炭酸飲料水は、一つのメーカーのものの値段が上がっても、違うメーカーの安いもので代用することができます。
しかしながら神経痛薬のリリカの値段が上がったとしても、患者がその薬に効果を感じている場合、その代用品を見つけるのは困難です。
そのため、リリカの需要は非弾力的と言えます、

タバコなどを例に出す場合、すぐに止められる様な軽度な依存者の場合には弾力性が高くなりますが、なかなか辞められないヘビースモーカーの場合には需要の弾力性が極めて低くなります。




需要の弾力性が1より大きいパターン

需要の弾力性が高いとき、需要の変化は価格の変化より大きくなります。
これは、価格を10%引き上げると、需要量が20%や30%も低くなるようなパターンです。

このパターンの場合には、需要量は極めて変化しやすく、価格の変化にあわせて大きく揺れ動きます。

先ほどのコーラの例などがこのパターンに属します。
A社のコーラが150円→200円になって、B社、C社、D社…(他にもたくさん)の価格が150円のままだったら、どれでも代用が効く状態なのでかなりの需要低下が予想されます。

つまり、コーラの需要は弾力的であると言えます。




需要の弾力性が1に等しいパターン

需要の弾力性が高くも低くもないとき、価格の変化と需要量の変化はちょうど等しくなります。
この様な状態を、「単位弾力的」と呼びます。

このとき、価格が10%下がると、需要量もちょうど10%下がります。




供給の弾力性を3つのパターンで考える


供給の弾力性が1より小さいパターン

価格の変化が供給量の変化にそれほど影響しないとき、供給の弾力性は低いと言えます。
この場合、価格を10%上げても、供給量が5%くらいしか上がらない場合です。

例えば、2014年に話題沸騰した妖怪ウォッチのレアメダルなどは、価格がどんどん高騰していたのに供給量はそれほど変わりませんでした。
つまり、供給の弾力性が低いと言えます。

また、ヴァイオリンの中の最高峰ストラディバリウスなどは、供給が完全に非弾力的と言えます。
どれほど、価格が高騰しても、マイスターのアントニオ・ストラディバリはもう亡くなっているため供給量が増えることはありえないからです。




供給の弾力性が1より大きいパターン

供給の弾力性が高いとき、価格の変化は供給量に大きな変化をもたらします。
価格を10%引き上げると、供給量が20%上昇するようなパターンです。

例えば、製造業の生産工場が最大生産量に対して、余裕をもって稼働しているときなどは、生産量を増やすことが容易なので供給の弾力性は大きくなります。




供給の弾力性が1に等しいパターン

価格の変化が供給量の変化と一致しているパターンです。
この場合、10%価格を引き上げると、供給量もちょうど10%上昇します。




需要と供給の弾力性がわかると適切な価格がわかる

需要や供給の価格弾力性がわかれば、商品の適切な価格がどのあたりであるかが分かります。
また、価格を上げたり下げたりした際に、需要や供給がどのように動いていくかも予測ができます。

特に、最近ではビックデータを活用しての値づけに力を入れている企業も少なくはありません。

需要が非弾力的であれば、商品の値上げが収益アップにつながり、需要が弾力的であれば、値上げすることにより利益が減少してしまいます。

仮に過去のデータなどから弾力性が分かっていれば最も利益が出せる価格を算出できる為、直感に頼る値段の上げ下げが合理的でないことが分かります。

merumaga

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