【ミクロ経済学2】分業がもたらす3つのメリット | 市場経済を発達させた特化型分業

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分業とは

サッカーには、FW、MF、DF、GKなど様々な役割があります。
同じく野球にも、ピッチャー、バッター、内野手、外野手などのポジションに分かれています。

この様に、一人が一つのポジションに従事することを経済学では特化と呼び、皆が特化して仕事をこなしていくことを分業と言います。

会社組織を見てみましょう。

会社の方向性や経営戦略を考える「経営陣」
経営状況を数値的に分析する「財務」
会社内のお金を一括して扱う「経理」
他者に商品を売りに行く「営業」
会社のPRを担当する「広報」

など様々な役割に分かれていると思います。
また、その中でも「広報-取材担当」「広報-デザイン担当」「広報-海外担当」など細かく役割が分れているケースも少なくはなく、会社組織は完全特化型の分業制を用いることが一般的です。

分業は、物の製造工程などにおいても取り入れられています。
例えば、あなたが日頃使っている車などの乗り物ですが、使われている部品は2万個~3万個にも及びと言われ、調達や加工、製造は様々な国や企業をまたいで行われています。






分業がもたらす3つのメリット


得意でなおかつ地の利を生かせる

例えば学校給食に欠かせない牛乳を作る工程ですが、乳牛を育てる人と、牛乳パックを作る企業はそれぞれ別の技術を必要とされます。
また、乳牛を育てるのは北海道などの寒い地域が適していると言われていますが、牛乳パックの工場をわざわざ雪が積もり易く物流コストが高い北海道に作る必要はありません。

この様に、それぞれの人や土地に向いた仕事を割り当てると、生産効率がアップします。




1つの仕事に集中すると習熟しやすい

バイオリン、フルート、チェロ、サックスなど複数の楽器を日替わりで練習している音楽家と、毎日バイオリンだけを練習している音楽家とでは、おそらく数年後のバイオリンに対する習熟度は後者のほうが大きく上でしょう。

これは、企業戦略でも同じことが言えます。
多方面に手を広げる企業よりも、コア・コンピタンスに特化した企業が生き残る傾向があるのもこの習熟度の差からでしょう。
逆に、もともとは特化型の戦略であったにも関わらず、軌道にのると刺激を求めだしあれやこれや手を出しすぎて経営破たんする企業も少なくはありません。

コア・コンピタンス
その企業の核となる独自の「強み」。他者にまねのできない技術やノウハウなど



規模の経済を活用できる

規模の経済とは、大量生産によってコストが下がる傾向のことを指す言葉です。

年間10万台を生産する大きな家具工場と、年間に300台しか生産しない小さな家具工場では、その1台当たりの生産コストは前者の方が大幅に安くなります。
それは、家具の生産に特化し、組み立てラインによる製造過程を洗練させているからです。

規模の経済が働いているから、私たちの町それぞれには車工場やテレビ工場、冷蔵庫工場などがなく、それぞれの物が特化された企業により洗練された状態で一括で生産され私たちの元へ運ばれてくるという現状が出来上がったのです。






分業は個々の知識とスキルの低下を招く

分業は、経済的に貧しい国より豊かな国のほうが進みやすい傾向にあります。

例えば日本の東京に住んでいる人たちは、農業や農畜、漁業については一切しらなくても美味しい米や肉、魚を毎日食べられます、電化製品の構造を知らなくても様々なハイテク家電に囲まれて便利に生活をすることができます。
しかしどうでしょうか、経済的に豊かでない国の人々は、自分達の知恵とスキルの範囲内での自給自足の生活をしていることでしょう。

経済学者のロバート・ハイルブローナーは次のように述べています。

圧倒的多数のアメリカ人は農作物を育てたこともなく、獣狩りをしたこともなく、家畜を飼ったこともなく、小麦を小麦粉に挽いたこともなく、小麦粉からパンを作ったことさえない。
衣類を作るとか、自分の家を自分で作るとかの課題に直面しても、ほとんどのアメリカ人は絶望的なまでに何の訓練も受けていなければ、何の準備も出来ていない。
身の回りにある機械類のちょっとした修理さえも、彼らは、例えば自動車修理や配管工事などの仕事をしている自分たちのコミュニティの他のメンバーを呼ばなければならない。
逆説的なことだが、アメリカが豊かになればなるほど、平均的な人たちには、何の助けもなく単独で生き延びる能力がないことがますます明らかになっていくのである。

引用:『経済社会の形成 原著第12版』






分業によって市場経済が発達した

しかしながら、分業は市場経済の発達と切っても切り離せない存在です。

人々のやりとりを中心とした市場経済は、すぐれた分業の仕組みを実現し、非常に豊かな暮らしをもたらしました。
店に行けば、ありとあらゆる商品やサービスが手に入り、先進国の人々にとってはそれがほとんど当たり前にもなってきています。

merumaga

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