【ミクロ経済学8】完全競争と独占 | 意外と知らない4つの競争形態

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全ての企業がどこかに位置づけされる4種類の競争形態

どのような企業でも、その規模や業種を問わずに次の4種類の競争のうちどれか1つに関わっています。
この4種類というのは、競争の度合いに応じて分けることができます。

まず一方の端に位置するのが「完全競争」です。
ここでは数多くの小規模な企業が同じような製品をそれぞれつくっています。

そして、その対極に位置するのが「独占」。
これは、1つの大規模な企業が、市場の売上をほぼ独り占めしている状態のことです。

独占と完全競争

また、上記2者の中間には「独占的競争」というものがあります。
数多くの企業がすこしずつ異なるものをつくって競争している状態です。
例えば、レストランはどこでも食べ物を提供しますが、その種類や価格帯はさまざまというようにです。

最後に、独占的競争よりもうすこし独占寄りの状態として「寡占(かせん)」というものがあります。
これは、少数の大企業が市場のほとんどを支配している状態です。

完全競争 > 独占的競争 > 寡占 > 独占




完全競争

完全競争においての主な特徴は、価格受容性です。
価格受容性とは、市場の価格をそのまま受け入れるという性質のことです。

完全競争のなかにいる企業は、市場の価格をそのまま受け入れるしかなく、利益のために価格を上げようとしても上手くいきません。
なぜかというと、消費者にとってはその企業の製品は数ある選択肢の1つにしかすぎないからです。
例えば、同じ人参3本の値段がAスーパー200円、Bスーパー300円として、このスーパーが目の前に並んでいたとしたら消費者は当然Aスーパーで買うと思います。

このような完全競争の環境においては、製品の価格が生産の費用にかなり近くなります。(原価と売値が近づいます)
各企業間の競争によってぎりぎりまで価格が下げられるからです。
その結果、完全競争に参加しているほとんどの企業が低い利益にとどまる傾向があります。

ここ最近でいうと通常の店舗以上に、ネットショッピングなどの物販ビジネスにおいてこの状態は顕著に表れています。




独占

独占は1つの売り手が市場の売上の大半を占めている状態です。

ネットワーク網を提供しているNTTなどが良い例でしょう。
また、地域レベルで言えば電力会社なども独占のいい例です。

そもそも独占はどのようにして生まれるのでしょうか?
多くの場合、独占には市場への参入を阻む障壁があります。

例えば特許というのは、参入を阻む壁になります。
ある企業が新薬の製造方法に関する特許を取得したら、ほかの企業はその薬に手を出すことができません。
そのため、少なくとも特許期間が切れるまでは、その薬を売ることができるのは特許を持っている企業だけです。
つまり、その期間その薬の市場が独占されているわけです。

実際に特許が一定期間独占を保証することにより、新技術の開発が促進されるという側面もあります。
人々の利益と引きかえに、技術の進歩をうながすというトレードオフです。

また、独占には「自然独占」と「大企業同士の共謀などによる独占」があります。
資本主義経済においては、後者については独占禁止法によって禁止されています。

独占禁止法
独占禁止法(どくせんきんしほう)または競争法(きょうそうほう)とは、資本主義の市場経済において、健全で公正な競争状態を維持するために独占的、協調的、あるいは競争方法として不公正な行動を防ぐことを目的とする法令の総称ないし法分野である。「独占禁止法」では、法律の略称と紛らわしいため、区別を明確にする際には「競争法」との呼称が用いられることがある。

引用:Wikipedia




独占的競争

独占的競争は、独占よりも完全競争のほうに近い状態です。
独占的競争の市場では、多くの企業が「差別化」された商品で競っています。
ここでいう差別化というのは、似てはいるが完全に同じではないというものです。

例えば、近年当たり前になってきたスマホ市場。
一昔前は各メーカーごとに性能の差も多々感じましたが、最近ではその差もあまりなくなってきました。
形、スペック、価格などかなり似ている状態です。
しかしながら、同じかというとそうではありません。




寡占(かせん)

寡占は、独占的競争よりも、もうすこし独占のほうに近い状態です。
数少ない企業が、市場のシェアのほとんどを占めているとき、寡占であるといいます。

例えば、日本のビール市場ですが、ほとんどがアサヒ、サントリー、サッポロ、キリンが占めていると言えます。
寡占市場を見るときに気をつけたいのは、寡占企業同士が激しく競争して価格を引き下げているのか、それとも結託して価格を引き上げているのか、という点です。
後者であるならば、独占とほとんど変わりがありません。

merumaga

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